2019年11月8日
風邪に抗生物質は必要でしょうか？？
答えは「No」です。意外と思われた方もいらっしゃるかと思います。
実はこの事実を多くの方は知りません（あくまで診療をとおした私見です）。
では、なぜ風邪で抗生物質は必要ないのでしょうか？？
答えは「風邪はウィルスに感染しておこる病気だから」です。
ちなみに、風邪の原因となるウイルスの種類は200以上あり、このたくさんあるウイルスの
どれかが異常を引きおこして病気となって現れるのが風邪です。
個人差はありますが、多くはウイルスが体内に侵入してから約10～12時間後から諸症状が出始め、
感染後2～3日で病状はピークを迎え、約1週間くらいで体内からウイルスは消失していきます。
ウィルス感染は抗生物質で治すのではなく、自分の免疫力で治す病気なのです。
（細菌とウィルスの違いはここでは書きませんが、抗生物質は細菌に感染しておこる病気のためのお薬です）。
一方で、風邪に抗生物質が効かないことを知っている方の中には、
以前に同じ症状があって内服したらすぐに治ったという経験から抗生物質を飲みたいと
考えている方も多くいらっしゃいます（でも、本当は自分の免疫力が治したのです）。
そんなときには、あらためて風邪がウイルスに感染しておこる病気のため、抗生物質は効かないことを説明しています。
また、それによって与えてしまう不安・心配がなるべく軽減されるように、
来院された患者さまの現在までの症状がウィルスにより起こされる症状で説明できる点や、今後目立ってくるであろう症状を
併せて丁寧にお伝えするようにしています。
ただし、症状が2〜３週間以上長引いてしまう場合は、咳喘息や肺炎の合併などを認める場合がありますので、
あまり無理なさらずどんなことでもご相談ください。