2020年2月7日
皆さまこんにちは。
今回は少し前に書きました、「大人のための風しんワクチン」に関連して、第二弾とも言うべき「大人のための帯状疱疹ワクチン」についてお話します。
帯状疱疹はよく耳にする病気だと思いますし、実際になったことがある方もいらっしゃるかと思います。帯状疱疹は一度発症すると、後遺症として発症した部位に生涯にわたり神経痛が残る場合もあり、決して侮ることのできない病気です。特に高齢者では帯状庖疹の後に、約2割の患者で神経痛を合併し、その痛みはコントロールが困難なほど強い場合も多いことから、患者さんの生活の質(QOL)の低下につながる重大な合併症とされています。
でも実は、、、そのような帯状疱疹はもとを正せば子供の頃に罹った水ぼうそうが原因であることをご存知でしたか??
水ぼうそうと帯状疱疹は同じ水痘・帯状疱疹ウィルスが原因と言われています。
子供のときに水痘・帯状疱疹ウィルスにかかると、体中がぶつぶつができる水ぼうそうで発症します。水ぼうそうは自身の免疫力のおかげで1週間程度で完治しますが、その後もウィルスは私たちの脊髄後根神経節に忍者のようにひっそり隠れています(潜伏感染)。数年〜数十年が経過して、加齢をはじめとした免疫力の低下、疲労やストレス等の誘因に伴いウィルスが再び力を取り戻す(再活性化)と、そこで初めて帯状庖疹を発症するという訳です。だから水ぼうそうが姿を変えて帯状疱疹として現れるということですね。
それでも、従来は高齢者となっても水ぼうそうの子供たちと直接的にも間接的にも接する機会(ナチュラルブースター効果)がありましたので、免疫力が再度高まり、帯状疱疹の発生が抑制されてきました。しかし、現在は子どもたちの水ぼうそうに対する定期的なワクチン接種が行われるようになり、水ぼうそう患者の数が減少してナチュラルブースター効果の低下が起こり、帯状疱疹の発生数が増えている先進国もあると報告されています。
先にも書きましたとおり、帯状疱疹はかかることもさることながら、後に神経痛が残る可能性があることが非常にやっかいな病気です。その頻度を減らすためにも、海外では帯状疱疹ワクチンの接種が盛んに行われています。
日本でも予防のために、50歳以上の方を対象として帯状疱疹ワクチンを接種が勧められております。
以上から、当院でも帯状疱疹ワクチン投与を行っておりますので、ご希望の方は受付までお気軽にお声がけください。